2022.08.13
時期によって外で子猫を見かけることがあると思います。
見かけて心配になったり、保護したりされた方からご相談のお電話を数多く寄せられます。
屋外で野良の子猫を見つけたとき、どうすればいいのか分からないという方も少なくないのでないでしょうか。
それが、親猫がたまたま離れたタイミングであれば、やがて戻ってくる親猫によって子猫たちは生きていけるかもしれません。
しかし、育児放棄されていたり、親猫が事故に遭い戻ってくることが出来ない場合には、不幸な未来が待っている可能性も大いに考えられます。
野良の子猫を発見したら、考えられる選択肢は大きく分けて5通りです。
子猫を見かけたら、まずはどうのような状態にあるか確認してください。
状況によってとれる選択肢が変わる場合があります。
子猫を見つけたときに何もしないという方法があります。
これは、まだ母乳を飲んでいる子猫の場合です。
離乳に至っていない子猫のお世話をするのはとても大変です。
ミルクボランティアというものがあるくらい特別に大変なため、ご自身の家で飼えたとしても迂闊に手を出すことはお勧め出来ません。
もし引き取る場合には、母親も一緒に保護して育ててもらう方がいいのではないかと思いますが、それもおそらく難しいでしょう。
一番シンプルで確かな方法です。
自分の足でしっかりと歩いて移動できる子猫は、完全に離乳が終わっていなくてもキャットフードを食べることが出来るくらいにまで成長しています。
なので、お世話が特別に大変な時期を越えているため、猫の飼育の知識や経験があれば保護しても問題ないでしょう。
ご自身で飼うことが出来ないのであれば、NPO法人や地域猫の会など、子猫でも保護してくれる団体や施設を探してみましょう。
また、一般の方でも参加出来る譲渡会もありますので、ご自身で飼える人を探すことも出来ます。
譲渡会の他に、インターネット・SNSで里親を探すという方法もあります。
里親募集のサイトが検索すればいくつか見つかると思います。
利用しやすいものから始めてみるのもいいのではないでしょうか。
また、協力してくれる動物病院もありますので、近くの動物病院で聞いてみるのもいいのではないでしょうか。
選んではならない選択肢です。
里親を募集する期間があったりしますが、そんなに長くはなく、見つからなければ殺処分されてしまいます。
警察に持ち込んだ場合でも、その後に動物愛護センターへ移されるので結果は同じです。
その命を終わらせてしまう最初の一歩です。
猫の繁殖期は暖かい時期で、中でも3月からの春がピークだと言われています。
その頃に子猫のご相談のお電話をよくいただきます。
しかし、猫は人間などとは違い、交尾排卵であるため交尾をすればいつでも妊娠できます。
街頭や看板などの人工光で明るい時間帯が長く、街中には寒い時期であっても暖を取れるような場所があったりするので、一概に暖かい時期だけ子供を産むとも言い切れません。
子猫を保護したら、先ず動物病院へ連れて行きましょう。
見るからに衰弱していたりケガしていたりするときは、すぐに適切な処置をしてもらってください。
子猫は成猫よりも早急な処置が必要です。
ケガなどが無さそうでも病院へ連れて行きましょう。
一見元気そうに見えていても、感染症にかかていたり寄生虫がいるかもしれません。
また、健康状態を知ることがとても大切なので、一通りの検査を行いましょう。
検査を行う際にワクチンを一緒に摂取することも忘れてはいけません。
家に連れて帰る前に病院へ連れて行く事をお勧めします。
いち早く診察してもらうことも重要ですが、子猫の体にノミやダニがいた場合には、それらも一緒に家に連れて帰ってしまうことになるからです。
遅い時間帯や休診日などの理由から先に家へ連れて帰るときには、子猫に対するケアと併せてノミダニ対策も行うようにしましょう。
病院から帰ってきたら、必要な物を準備しましょう。
まだ環境に慣れていない場合、精神的には非常に不安定な状態にあります。
なので、ひっそりと隠れることが出来る自分だけのスペースを用意してあげましょう。
ケージの中やドームでもかまいません。
外界をシャットアウト出来る空間が必要です。
体が小さくて運動能力や危機管理も高くない子猫の場合、少し目を離した隙にどこかに行ってしまい危険な目に遭うことも考えられます。
そのため、離れる時間が出来るときや就寝時などに入れるためのケージが必要です。
子猫のときには上下運動出来るタイプのものよりも床面積が大きいものの方が良いでしょう。
体が大きくなるにつれてケージも変えていくのがいいと思います。
子猫用にトイレを用意するときには、サイズを考えてあげてください。
あまりに高さがあるものだと出入りが困難になってしまいます。
見合った高さのものが用意出来ない場合には、段ボールやお菓子の箱などを加工するのもいいと思います。
エサや水を入れる器も、あまり深いものだと届かなかったり、ひっくり返してしまうかもしれません。
逆に浅すぎると、器の中に入ってしまい体や周辺を汚してしまうことになってしまいます。
子猫の体のサイズに合ったものを選びましょう。
また、倒したときでも大丈夫なように割れにくく安定感のあるものを選んでください。
寝る場所もソファやカーペットだからその辺にという訳にはいきません。
ドーム、箱にタオルやクッションなどを入れてあげたものを用意しましょう。
爪切りやコームなどのグルーミング用品といった衛生用品も揃えましょう。
子猫用の時からしっかりとケアしてあげてください。
子猫のときから慣れさせることで、力がついた成猫になってから爪切りで悩むことはなくなるでしょう。
成猫になってからもそうですが、室内飼いだと運動不足になる可能性が高いです。
そうならないように日頃からおもちゃで遊んであげましょう。
運動にもなるうえにコミュニケーションにもなります。
その他、お家の環境に合わせて必要なものを用意しましょう。
例えば、2階以上にあるお部屋で飼うのであれば、階段から落ちないように壁や柵を設けたりするといった工夫が必要だと思います。
既に経験がある方は問題なく飼えるかもしれませんが、始めて飼うという方へ気を付けて頂きたいことがあります。
子猫の時から躾をしっかりとすることも重要です。
やはり躾をするのは子猫の時から行うのが重要です。
成猫になってからだとうまくいかないことが多いです。
途中で失敗してしまうこともあるかもしれませんが、怒鳴ったり叩いたりしてはいけません。
トイレ
生まれてしばらくは自分で上手に排泄が出来ません。
通常は親猫が舐めて排泄を促しますが、親猫がいない場合には濡れた脱脂綿などで軽くポンポンと触ってあげることで、排泄を促すことが出来ます。
排泄しないからと何度も繰り返し行ったり、強く擦ったりしてはいけません。
排泄をさせる場所はトイレの中で行い、トイレは寝る場所や遊ぶ場所の近くに設置します。
トイレを毎回しっかりと綺麗にしてしまうと、トイレの場所を覚えられなくなるので、排泄物を取り除くくらいにとどめ多少トイレの中に臭いが残るようにしましょう。
爪とぎ
爪とぎには、爪の手入れの他にストレス発散やマーキングの意味があると考えられています。
爪をといでいい場所がどこなのかを教えることで、家具や壁といったもので爪をとがないようにすることが出来ます。
しかし、トイレ同様に爪とぎを置いておけばいいわけではなく、しっかりと使い方を教えてあげなければなりません。
目の前で爪とぎを使う真似をしてみたり、子猫の前足を持ってやってみたりしながら理解してもらいましょう。
トイレの躾よりも難易度が高いと言われていますので、時間がかかろうとも根気強く教えてあげてください。
爪切り/歯磨き
爪切りや歯磨きは健康面の維持において必要なことです。
これらを行う際に嫌がって暴れらたら大変です。
子猫のときから慣れさせておきましょう。
どちらも最初から道具を出して行おうとすると上手くいかないと思います。
爪切りの場合には、前足後ろ足の両方とも触られることに抵抗をなくすことから始めます。
日常のスキンシップのなかで、少しずつ触れるようにします。
あくまでも自然な流れの中で触れるようにしましょう。
歯磨きも口元に触れる機会を増やし、触れられることに抵抗を徐々になくしていきましょう。
噛み癖
噛み癖を後々矯正するのはかなり難しいことです。
放置していると徐々にエスカレートしてしまい大きなケガに繋がってしまうかもしれません。
噛まれたら大きな声を出して制止させます。
躾の時でも何かいたずらをした時でも、その時に叱りましょう。
タイミングがズレてしまうと、何故怒られているのか理解が出来なくて改善しません。
叱るときは極力短く叱りましょう。
長時間追い詰めるようにしてはいけません。
いけないと言ったりダメと言ったり叱る言葉をその時その時で変えてしまうと、理解され辛く伝わりません。
叱るときの言葉をしっかりと決め、一貫して同じ言葉で叱るようにしましょう。
必要以上に大きな声やヒステリックな怒り方は避けましょう。
限度を越えてしまうと、無駄なストレスになったりただ恐怖心を植え付けることになってしまいます。
叱るときは毅然とした態度で声も低く発したより効果的です。
遊んでいる時と同じ声でダメだと言っても怒られているという意識は生まれません。
メリハリが大事です。
観葉植物やその他の口に入れてしまうといけないものはなるべく置かないようにしましょう。
また、何か落としてしまったりしてしまった場合にはすぐに片付けるようにします。
猫にとって危険なのは誤食や誤飲ばかりではありません。
電気のコードを齧って感電してしまう危険や、水をはったお風呂に落ちてしまう、網戸を突き破って落下してしまうことも考えられます。
また、危険なことというのは、性格や行動パターンによっても違うので、少しでも危険だと思う事があればひとつずつ対処していきましょう。
先住のペットがいる場合には、はじめの距離感が大切です。
先住のペットが猫であろうと犬であろうと亀であろうと、それぞれの性格によって仲良く暮らしていけるかどうかは、はじめの距離感がとても重要になります。
いきなり目の前に連れて行き、噛まれたり叩かれたり威嚇されたりしてしまえば、最悪拭いきれない恐怖心を抱えることになってしまいます。
まずは臭いだけで相手の存在を知ることが出来るくらいの距離感で、時間とともにドア越しやケージ越しで対面させるなどの段階を踏むのが好ましいです。
今回、書ききれなかったことがまだ沢山あります。
実際に猫を飼っている人に聞いてみて、実践出来ることがあれば積極的に取り入れてみましょう。
初めて猫を飼うときには、愛猫と一緒に飼い主飼い主として成長していきましょう。
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