2021.03.14
今回は、猫アレルギーになってしまったために飼えなくなってしまった方からお預かりした例と、多頭飼育崩壊の現場から引き取った例を紹介します。
猫アレルギーになってしまって飼うことが出来ないというご連絡もいただきます。 飼い主さんやそのご家族の方がアレルギーになってしまうと、生活が一変してしまいます。 アレルギーの程度にもよりますが、猫に触れないようにするだけでも気を使うのに、抜け毛などにも気をつけないといけないので想像以上に大変です。
猫アレルギーになってしまったが、どうにかして飼育を続けようとされる方もいらっしゃいます。 お家の中に猫ちゃん専用の部屋を作り、全身を隠してからその部屋に入って餌や水の交換を行ったり 掃除をしたり。 このようなお世話は想像以上に大変で、ずっと継続するのは大きな負担になりかねません。
猫ちゃんだけの部屋を作ってのお世話を続けていたという飼い主さんから、お預かりのご相談をいただきました。 1年ほど部屋に隔離状態でのお世話を続けていたそうなのですが、毎度の支度から抜け毛などへの注意に疲れてしまったことや、その猫ちゃんだけで閉じ込めておくのは可哀想なのではないかと思い始めたことで当ホームへご連絡を下さったのだとお聞きしました。 老猫ホームでは同じ部屋に他の猫ちゃんがいるため、友達が出来れば寂しい想いをしなくてすむという考えから、施設での生涯預かりをご希望される飼い主さんも少なくありません。
猫アレルギー関連では、ご家族の特にお子様がアレルギーになってしまったというご相談を多くいただいております。 大人が猫アレルギーを発症した場合と子供が発症した場合では、アレルギー物質を自分で避けられるかという違いが大きく、子供が小さければ小さいほど避けるのは難しくなってきます。 況してや赤ちゃんであれば、自分ではどうする事も出来ません。
猫アレルギーになってしまった場合、施設まで猫ちゃんを連れて来ていただくのは難しいと思います。 なので、こちらから猫ちゃんのいる場所までお迎えに行きます。 猫ちゃんを引き取る際に、お預かりの契約も一緒に行いますので、後に時間をとっていただく必要はありません。
当ホームでは、お預かりしている猫ちゃんの面会を行っております。 飼い主さんやそのご家族の方に限定させていただいておりますが、事前にご連絡をいただければ基本的にはいつでもお待ちしております。
ねこほーむでは、毎日ボランティアの方によってお世話がされています。 そのため、お世話をする人数が日によって違いので、施設に突然お越しいただいても対応が出来ない場合がありますので、面会は事前予約制としています。 出来れば、面会希望日の1週間前にご連絡をいただいてのご予約をお願いいたします。
基本的には何もご用意いただかなくて大丈夫です。 アレルギーが原因で当ホームに猫ちゃんを預けた飼い主さんの中には、顔や手などの全てを覆って面会に来られる方もいらっしゃいます。 猫アレルギーになってしまったからといって、愛猫への気持ちは変わるわけではないので、例え荷物が重たくなろうとも、真夏に厚着をしなければいけなかろうとも面会に来られています。 当施設にはアレルギーの方のための予防用品はありませんので、面会に来られる際にはご準備の上でお越し下さいますようお願いいたします。 必要なものではありませんが、面会時に猫ちゃんと遊ぶ為の玩具や猫ちゃん用のおやつをお持ちいただいても構いません。
面会の時間は設けていませんが、お世話や他のご予約などもありますので、あまりに長時間の面会はご遠慮していただいております。 お越しいただく時間帯は、お世話や猫ちゃんたちのご飯などの時間と飼い主さんのご都合を考えて、ご予約の際にご相談とさせていただきます。
多頭飼育崩壊をご存知の方も多くいらっしゃると思います。 やっと動物愛護が重要視されてきた昨今、犬や猫などの多頭飼育崩壊がニュースなどでも取り上げられることが増えました。 ねこほーむでも、そんな飼育環境が崩壊しているところから猫ちゃんを引き取ったことがあります。 多頭飼育崩壊について、一例をもとに紹介します。
まず、多頭飼いをしているから飼育崩壊をする訳ではありません。 しっかりと管理していない、お世話をしていないから飼育崩壊してしまうのです。
あくまでも一例ですが、
この例であれば、おそらく2番目の段階でちゃんとした飼育は出来ていません。 その段階で既にアウトです。
多頭飼育崩壊の現場は、お世話や掃除がなされていないため、ひどいアンモニア臭がたちこめていて、とても暮らせる環境ではありません。 餌が十分に行き渡っていないので、共食いをしているケースも多く、また亡骸もそのままになっているので、現場はとても凄惨な環境になっています。 さらに、近親交配が進むことで奇形が生まれる確率も高くなります。 また、異臭や騒音が原因で周辺トラブルにもなります。
まず何より、避妊去勢の手術をさせることで、数が増えてしまうことを防げます。 数が増えなければ、飼育崩壊とはなかなかなりません。
過去、多頭飼育崩壊しているところから引き取りを行ったことがあります。 そのときの状況や流れを紹介します。
飼育崩壊をさせてしまっている方のご家族の方から、当ホームへご連絡をいただきました。 現場はご連絡を下さった方のご両親が住むお家で、もう何年も家に行っていなかったそうです。 何年かぶりに行ってみると、尋常じゃない数の猫が家にいて、中は荒れ放題でとても人も猫も住める環境ではないことにあぜんとしたと仰っていました。 当ホームにご連絡をいただいた時には、既に他の団体にも連絡をされていたらしいのですが、他の団体だけでは引き取りきれないと言われてしまったとのことでした。
現地へ伺ってみると、半数以上は他の団体に引き取られた後で、さらに数匹を知人に引き取ってもらったのだとお聞きしました。 衛生環境は最悪で、放置されたままの糞やオシッコ、子猫のものと思われる骨、散らかっているフード、蛆や小さな虫の塊。 残された猫ちゃんたちをキャリーケージに入れて引き取るのですが、ケージに入れる前にノミやダニなどの駆虫をしなければなりませんでした。 もちろん健康状態も悪く、危ないくらいに痩せていたり、明らかに病気を煩っていたり、自ら起き上がる事すら出来ない猫ちゃんまでいました。
引き取ってからも大変でした。 まずは、引き取った全ての猫を避妊去勢の手術をします。 躾が出来ているはずもなく、ケージの中であってもトイレで上手に用を足せなかったり、ご飯やお水の器を毎日ひっくり返してしまったり、スタッフに慣れるまでにかなりの時間を要したり。 野良猫と何も変わりません。 その後は、体調の変化を見極めて病院へ連れていきました。
飼い主であるご両親は、飼育放棄(ネグレクト)をしているという意識がなく、周りの人が何故こんなにも躍起になっているのかわからないと言っていました。 飼育崩壊させてしまう人の中には、「何がいけないのかわからない」「飼育放棄なんかしていない」という人がいます。 現状の悲惨さに一切気付いていないのです。 多頭飼育崩壊は、関わる人全てを不幸にします。 そして一番の被害者は、無責任に放置された猫ちゃんたちなのです。 ご自身の周りをもう一度ご確認していただき、少しでも可能性がありそうであれば、お話をされてみて下さい。 ねこほーむにご相談いただければ、こちらの出来る限りの協力は致します。
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