2021.02.20
ねこほーむに寄せられるご相談の中に、猫の鳴き声が原因のものがあります。
例えば、「夜中に鳴くため寝られなくなった」、「近所からクレームが来てしまった」などです。
今回は、猫が何故鳴くのかということについて、夜鳴きによってねこほーむでお預かりすることになった例を紹介します。
鳴き声から猫の気持ちを知ることが出来たら、猫との向き合い方や対処法などが分かって、より愛猫との絆を深めることが出来るかも知れません。
普段、飼っている猫ちゃんがどんな時にどんな鳴き方をしているかを考え、それぞれにあった対処法を見つけましょう。
言葉が通じない相手とのコミュニケーションは難しいですよね。
どうして鳴いているのか。
その理由は飼い主であれば知りたいはずです。
一緒に考えてみましょう。
猫は、猫同士のコミュニケーションとして鳴き声を使うのは決まったときくらいで、あまり使いません。
鳴くのは飼い主などの人間に向けている場合が殆どです。
離れていても、何かしらの要求をこちらに投げかけているので耳を傾けてあげて下さい。
猫が鳴く理由は、大雑把にいえば何か要求をしています。
ご飯が食べたいのか、遊んでほしいのか、甘えたいのか、はたまた怒っているのか。
何かしらをしてほしくて、こちらに要求をしてるのです。
猫が何を考えていて何をしてほしいのか、鳴き方や状況別に断する事が出来ます。
猫の鳴き方と言えば「ニャー」。
ただ、猫を飼っていたり触れ合った経験がある程度あれば分かるかも知れませんが、鳴き方は「ニャー」の一辺倒ではありません。
状況や要求によって変わりますので、その違いに気付いてあげましょう。
撫でているときや、戯れ合っている時によく聞くのではないかと思います。
これの多くは、甘えていたりリラックスしているときに発します。
生まれたばかりのまだ耳が聞こえない時期に、母猫に対して自分の存在や状態を伝えるために喉をならしていた名残であると言われています。
しかし、過剰なストレスの緩和目的や骨折したときなどに意図的に喉をならすこともあります。
※ゴロゴロ音には自然治癒力アップの効果があるとも言われています。
朝起きたときなどによく聞きませんか?
短く鳴くときには挨拶です。
おはようとなどといった意味合いで鳴いていますので、そのときは挨拶をしてあげて下さい。
しかし、この鳴き方も不安であるときにするとも言われています。
状況によって確かな見極めをしましょう。
一般的に想像出来るようなこの鳴き方は、ご飯が欲しい、遊んでほしいという要求をしています。
甘えたいときには、少し長く鳴きます。
所謂、猫撫で声という感じですね。
合わせて牙を剥くような明らかな警告です。
威嚇をしていたり、極度の緊張や不安に陥っています。
発情期に出す声です。
生後6ヶ月頃から発情が始まりこの声を発し始めます。
クラッキングと言います。
おもちゃや鳥や虫などを狙っているときに出します。
獲物を見て興奮している、狩りの動作の代替行動などと考えられています。
あまり聞いたことがない人も多くいるかもしれません。
鳴いているように口を動かすけど声が出ていない、それがサイレントニャーです。
成猫よりも子猫、オスよりもメスのほうがこの鳴き方をします。
また、華奢な猫種のほうがするとも言われています。
これも甘えたいときにする鳴き方です。
猫も学習することが出来ます。
鳴いて飼い主が反応してくれたという経験から、より鳴くようになったりします。
あまりにも鳴き声がうるさい時には、合わせた対処法をとりましょう。
猫が鳴く度に叱っていても、一切改善はしません。
むしろお互いのストレスでしかないのです。
叱るよりも鳴いている理由を知り、それに合わせた対処をしましょう。
発情期の鳴き声はとても大きく、近所迷惑になるのではと心配になるほどです。
飼っている猫ちゃんの子供を考えていないのであれば、避妊去勢を行うと発情が抑えられてその時期特有の鳴きはなくなります。
遊んで欲しい、元気があり余っているといた理由で鳴いている場合には思いっきりつき合ってあげましょう。
そうすることで、夜に静かに眠ってくれるかもしれません。
猫は長時間運動し続けることには向いていないため、一回の遊びはそんなに長い時間でなくても大丈夫です。
鳴けばご飯やおやつが貰えると学習すると、いつでも欲しいときに鳴くことになります。
決まった時間にだけ食べられるのだということを学習すると要求することが減ってきます。
適正量をあげているのにうるさく鳴いてねだる場合には、おもちゃなどで気を逸らしたりスルーをするという方法もあります。
部屋が暑かったり寒かったり湿気が凄かったり、猫にはどうすることも出来ない状況への不満をぶつけていることもあります。
また、自分のトイレが汚れているときにも、「掃除をしてくれ」と要求することもありますのでチェックしてみましょう。
うるさいとは違うかも知れませんが、元気がなかったり食欲がなかったりするときにずっと鳴いているときには、何か病気や怪我をしている可能性があり、痛かったり辛かったりして訴えているのかもしれません。
そんなときには病院へ連れて行き検査をしてもらいましょう。
ねこほーむへの鳴き声に関するお問い合わせの中で一番多いのが、猫が認知症になってしまい夜鳴きをするようになってしまったというものです。
昨今では問題視までされるようになった認知症による夜鳴きに、悩ませれている方もいらっしゃいます。
夜鳴きは認知症の症状の1つです。
この夜鳴きには特に意味はありません。
ただ鳴いているため、止める手立てがないのです。
声の大きさも大きいことが多く、飼い主の睡眠を妨害するほどの声量で鳴くことも。
まず、猫の認知症についてはまだ分かっていないことが多く、治療薬なども存在しておりません。
サプリメントでビタミンEやDHAやEPAなどを摂取すれば、症状の進行を遅らせることが出来ると言われていますが、これも確定的な治療法ではありません。
治療に関しては、その猫その猫によって違うとのことなので、自己判断せず病院にいって獣医師としっかり相談して下さい。
認知症の夜鳴きによって悩まされていた飼い主さんから、猫ちゃんをお預かりしたことが過去に何度かあります。
なかには長年飼っている愛猫を、自分が我慢出来ないからという理由で手放すなんてと悩んでおられる方、1つの部屋に閉じ込めて飼っていて、それでも声が延々聞こえてきた時には手をあげてしまい自己嫌悪に陥ってしまっている方などもいらっしゃいました。
どうしたらいいのか分からず、ただ鳴き声を我慢するか無理矢理にでも静かにさせようとするか、
どなたも愛猫を思うが故に大きな悩みとなり苦しんでいました。
最初のお電話の段階で、お話を聞いている時に泣き出してしまう方もいました。
猫ちゃんをねこほーむでお預かりした後、飼い主さんたちは定期的に面会に来られており、どなたにも預けて良かったと仰っていただいております。
認知症だけでなく、介護するのはとても大変なことです。
さらには、小さなお子様がいたり、仕事があったり、住環境だったりでより難しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「自分が頑張れば」「自分が我慢すれば」とご自身を追い込んでしまっていませんか?
猫ちゃんにとっても、現状よりも良い環境を提供してあげられる場合もあります。
施設に預けることは、無責任なことでも恥ずかしいことでもなく、罪悪感をもつことでもないのです。
その際はお気軽にお電話下さい。
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