スタッフブログ

老猫の介護に悩んでいる方へ

老猫の介護について、過去にお預かりした猫ちゃんの例から紹介いたします。
ご参考にでもなれば幸いです。
また、ねこほーむでは要介護であってもお預かりが出来るので、ご検討されている方はお気軽にご相談ください。

老猫の介護についての紹介

老猫の介護は多くのことが求められます。
食事から排泄にいたるまで必要に応じて、するべきサポートを行います。

体のケア

年齢を重ねると、多くの猫が毛繕いを怠る傾向にあります。
寝たきりになっている場合には、より注意を払う必要があります。

こまめにブラッシングをする

年々、自らブラッシングをしなくなるのに加えて、体で届かない場所も出てきます。
そうなると、毛玉が出来たり皮膚炎になってしまったりします。
こまめにブラッシングをすることで、それらを防ぐ事が出来ます。
長毛種であれば、よりこまめにブラッシングをしてあげましょう。

暖かいタオルで拭く

シャワーを使ってシャンプーをするのは、老猫にとって大きな負担となってしまいます。
なので、濡れたタオルで汚れを拭いてあげたほうがいいのですが、夏場であってもタオルが冷たいと急な刺激によって猫を驚かしてしまいます。
最低でも人肌くらいの温度で拭いてあげて下さい。

爪切りを行う

猫が若くても爪切りを行う必要がありますが、老猫になると爪を研ぐこともあまりしなくなります。
そのため、爪が伸び続けて肉球に刺さってしまいます。 伸びたままの状態で放置していると、カーペットやカーテンに引っ掛けて怪我をする恐れがあります。

全身のマッサージ

マッサージをしてあげることで、滞りがちな血行を良くする事が出来ます。
その際に、「しこり」はないか、痛がりはしないかなどの変化を探してあげましょう。
マッサージを行うときには、筋力が低下していることを忘れず、優しくしてあげて下さい。

食事のケア

食事は自分で食べられる場合には、出来るだけ見守ってあげたほうがいいと思います。
もちろん、必要量より少ない場合には給餌するなどして補いましょう。

フードを考える

歯や歯茎が弱ってきていることで、これまで食べてきたドライフードが食べ辛くなったりする事があります。
年齢によって食欲が落ちることもあるので、そのような場合にはご飯を見直す必要があります。
食べやすいウェットフードに変えてみたり、好みのご飯を探してみたりしてみて下さい。

食器を高い位置に

お皿を床に置いてご飯をあげると、頭を下げて屈む姿勢での食事となり、この姿勢が老猫にとっては辛いものになります。
歩いているときの姿勢に近い状態で食べられるよう、高さがある食器を使ったり台に乗せてあげてください。

給餌

自分でご飯を食べられない場合には、流動食をシリンジと呼ばれるスポイトを使って直接口のに流し込んであげます。
いきなりは難しいと思いますので、動物病院などでやり方を聞いてからがおすすめです。

トイレのケア

運動能力の低下によって、排泄にも少なからず影響は出てきます。
自分で出来ない場合には、介助してあげましょう。

手伝う

筋力の低下によって、上手に排泄が出来なくなってしまうことがあります。
そんなときには、支えてあげたりしてなるべく自分で行っているという状況で排泄させてあげましょう。
内臓機能の低下によって排泄物が出てこないというときには、マッサージしてあげるのも効果的です。

トイレの形を考える

砂が周りに飛ばないように、縁が高いトイレを使用していると、足をあげたりジャンプしたりするのが難しくなってきたときには越えることが出来なくなり、他の場所でしてしまうなんて事になりかねません。

おむつ

寝たきりだったり、自分の意思とは関係なく排泄をしてしまう老猫の場合には、おむつという選択肢があります。
犬用ほどの選択肢はありませんが、サイズなど飼っている猫ちゃんにぴったりな物を選びましょう。
ただし、おむつをしているからと油断していると、大変なことになりますので定期的にこまめに変えてあげましょう。

要介護の猫ちゃんを預ける

年齢や事故や病気によって介護が必要な猫ちゃんを、預かってくれる所を探していらっしゃる方は少なくないと思います。
以下では、過去にお預かりした猫ちゃんたちの事由を紹介いたします。

加齢での要介護の場合

加齢に伴い、筋肉などの衰えから自分で食事はおろか動く事さえままならない状態になってしまう猫もいます。
それぞれの猫ちゃんの状態に合わせ、必要な介護・介助を行っています。

顎が弱り食事が上手く出来ない

年齢は17歳と立派な老猫ちゃんでしたが、歩く事も排泄も問題なく出来ていました。
しかし、顎だけが著しく弱っており、口でご飯を拾い上げたり咀嚼することが出来ていませんでした。
この猫ちゃんの場合には、食事以外は何一つ問題なく生活出来るので、毎日決まった時間にシリンジを使って流動食を与えていました。
老猫ちゃんだったので、一回であげる量を少なくして食事の回数を多くあげていました。

排泄が上手く出来ない

足腰が弱くなり、排泄をするときに上手に屈めずにトイレから外してしまう猫ちゃんもいました。
これは、年を取るとある程度仕方がないことです。
大きなトイレを置いたり、ドーム型のトイレを使用したりして対処しています。

寝たきり

こちらでお預かりする前、すでにヨロヨロフラフラ歩いていた推定20歳の猫ちゃんをお預かりした際には、施設に来て程なく起き上がることも出来なくなってしまったので、介護をすることになりました。
食事はもちろん、排泄や水を飲むこともままならなかったので、完全フルサポートです。
1日の決まった時間にご飯をシリンジであげ、皮下補液で水分を与えます。
排泄はどうしてもその場となってしまうので、ペットシートを敷いて汚れる度に交換してウェットシートで体を綺麗にしました。
床ずれ防止で、定期的に体を動かすことも忘れずに行いました。

事故などの後遺症がある場合

事故などによって後遺症などがある猫ちゃんの紹介をいたします。

耳が聞こえず、片方の目がない

ご自身が猫アレルギーになってしまい、これ以上飼育するのは難しいと飼い主さんからご連絡をいただきました。
その際に、事故によってハンディキャップを抱えてしまったとお聞きしました。
目が片方無く、耳が全く聞こえていなとの事でした。
耳が聞こえないことで他の猫ちゃんよりも鳴き声が大きいですが、片目しかないとは思えないほど機敏に動き回ることが出来た為、他の猫ちゃんと同じ条件でお預かりしました。
お預かりしてから数年経過していますが、今でも何も問題なく元気に生活してくれています。

おしっこが止まらない

この猫ちゃんは、事故にあって怪我をした後遺症でオシッコを自分で制御する事が出来なくなってしまっていました。
飼い主さんが、高齢である事からお世話が難しくなったためにねこほーむでお預かりしました。
当時、年齢がまだ8歳だったため、体力もあって施設やケージの中を動き回っていたのですが、そのままでいると辺り一面オシッコだらけになってしまい大変でした。
オシッコが制御出来ないこと以外は普通の猫と変わらず元気なので、狭い所に閉じ込めてしまうのは出来ませんでした。
そこで、おむつを着けてみたところ、特に気にする様子もなく施設内を飛び回っているので、おむつで生活してもらうことになりました。
しばらくして、飼い主さんの息子さんが飼えるようになったとのことだったので、今では息子さんのもとで生活しています。

前足が片方ない

入所前の事故により、前足の片方がない猫ちゃんをお預かりした事もあります。
器用に3本の足でピョンピョン飛ぶように移動していたその猫ちゃんは、ご飯を食べるのも水を飲むのも排泄も他の猫ちゃんと変わらずに出来ていました。
なので、床面積が広く上下に動かなくても十分に運動が出来る部屋に入れてあげるだけで、こちらがしてあげることは特にありませんでした。

最後に

悩みの大小があるかも知れませんが、老猫の介護でお悩みの方は少なくないと思います。
介護は大変な事です。
愛情があっても辛く、時には愛情があるからこそ辛く感じることだってあります。
誰にも相談出来ないからと、自分だけで抱え込んでしまうのは危険です。
抱え込んでしまった結果、苦しくなって想いが爆発してしまい全てを投げ出してしまったというケースを知っています。
施設に預けるという選択肢もあるのだと認識してみてください。
恥ずかしいこと、可哀想なことだというのは間違いです。
ねこほーむでは、過去に要介護の猫ちゃんたちをお預かりしてきました。
当施設に面会に来られて、その間は笑顔が絶えない人が殆どです。
ご相談だけでも構いませんので、抱え込まずにお電話下さい。

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